『貴婦人と一角獣』
六本木の新国立新美術館で8年ぶりに『貴婦人』と再開した。パリ、カルティエ・ラタンのクリュニー中世美術館に『貴婦人と一角獣』を見に行ったのは2005年だった。
今回の来日に備えて大規模な補修がなされたと聞いている。何しろ1500年頃作成されたというから当初真っ赤であっただろう地色もかなりあせて落ち着いた色合いになっている。
『貴婦人と一角獣』は五感の寓意を主題にしているそうだ。「触覚」に始まり「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」を表す5枚だ。そして最後の6枚目のタペストリーが"Mon Seul Desir"と呼ばれ5感を抑制する第6感すなわち-心ーを表しているらしい。真ん中に立つ貴婦人は侍女が捧げる宝石箱に身につけていた宝石をしまおうとしている。彼女は5感を享受し尽くしその喜びを抑える心をあらわしているのだろうか。
貴婦人や侍女の衣服、アクセサリー、髪型、背景の千花模様と動物たち等、タペストリーの隅から隅まで興味は尽きなかった。
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