『王子装束 ゑの木 大晦日の狐火』
ねずみ年のおおつごもりである。ねずみならぬ狐が関八州から集まってきてこの木の下で衣装をあらためお詣りするという王子稲荷神社の風景を広重が描いているのが『王子装束 ゑの木 大晦日の狐火』だ。江戸時代1856年の広重の代表作で、名所江戸百景の中のひとつだそうだ。
その昔、毎年大晦日になると、この榎の木のもと狐が集まり装束を整えて王子稲荷にお参りしたという言い伝えから、この木は装束榎と呼ばれ、現在この地には装束稲荷が祀られている。現在王子の街の人たちは、この「大晦日の狐火」を再現して、大晦日の午後11時から「かがり火年越し」を行い、除夜の鐘を合図に、人が狐に化けて紙の裃やきつね面で装束を整え、ちょうちんの火をかざし、装束稲荷を出発して王子稲荷神社まで「狐の行列」を実施している。
今日は一日これをかけ明日目覚めたら新年の額をかけよう。