『しがむ』
箱根ウォーキングに行ったとき道ばたに すかんぽ(いたどり)が生えていた。「子供の頃これを良くしがんだよね」と言ったら同行の7人に「なにそれ???」と言われてしまった。すかんぽの甘酸っぱい味を知っている人はいたが、『しがむ』という言葉はだれも使わないらしかった。
家に帰り広辞苑と大辞林には出ていない。ネットを検索したら色々出てきた。
「日本国語大辞典」(全20巻)にこう書かれているとあったので転記する。しがむ[噛][[他マ四]]むしゃむ しゃかむ。強くかむ。かみしめる。*浄瑠璃・七小町の二「真実にせぬ徒(いたづら)でも、ほんの勘当受ふかと、是が悲しうござんすと袖をしがみ咽(むせ)返す」
*随筆・月旦大小心録の37「さざ波やしがめば、あまからいけれど、たんと斗はたらぬじゃあろ」
(方言)(1)いつまでもかんでいる。かみしめる。滋賀県彦根、大阪、兵庫県明石郡、
奈良県 (2)しがみつく。「そうしがむとじゃまになる」静岡県小笠郡ということで、「関西」といっても大阪、奈良、および兵庫の明石、滋賀の彦根に限られるようで、京都では言わないようであるとも・・・昔は関西に限らず広く使われていたにちがいない。
現代標準語でも広く使われている「しがみつく」という動詞は「しがむ」+「付く」という合成動詞。「強く噛むようにガッチリと付いて離れないようにする」という意味である。
どうやら関西方面の方言であるらしい。祖母は奈良の生まれなので祖母から習った言葉の様だ。ブラジルで暮らしていた頃サトウキビを『しがんで』甘い味を味わったのを思い出した。
Comments
おひさしぶりです。
以前、ピアノ教室で、一緒におすし屋さんにいった
N子です。(もう一年半以上も前かな。。)
しがむ→しがみつく
「なーるほど」って思って読んでいました。
ふと、「しがらみ」って言葉を思い出しましたが、これも、こちらから派生しているのでしょうか。。。ね。勝手に空想しています。
よく、母が「浮世のしがらみだから。。。」
なんていってましたが。。
お花の写真が、なんともきれいで、いつも楽しませていただいております。
子供の頃、今頃の季節はよく「わらび」とりに、いきました。土筆が終わると次が「わらび」でした。「いたどり」もいっぱいありました。
なつかしいです。
Posted by: N子 | May 16, 2008 01:30 PM
はじめまして。
ぽっぴいと申します。
「しがむ」を調べていて来させていただきました。
お花いっぱいのすてきなブログですね。
私はいまでも日常的に「しがむ」を使っています。
繊維質のものをクチャクチャに噛んで、中のエキスを溶かし出してそれを食べるという意味で使っています。
残った繊維は「しがみカス」と言っています。
「猫がストッキングをしがむ」
というふうに、エキスを食べない時にも使います。
ちなみに私は、明石の近くの出身です。
この「しがむ」は絶滅危惧言葉らしいです。
Posted by: ぽっぴい | December 11, 2009 09:11 AM